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【WEIN GROUPとは何だったのか】本田圭佑と溝口勇児が組んだ理由

百瀬 栞菜 百瀬 栞菜 • 更新: • 公開: • 読了約 26 分
目次

WEIN GROUPは、単なる投資会社ではなかった。スタートアップへの資金提供に加え、経営人材、マーケティング、事業開発などを組み合わせ、起業家を総合的に支援する構想だった。

2020年5月28日、WEIN挑戦者FUNDは設立を発表。同年6月の設立を予定し、中心メンバーとして次の3人を発表資料に掲載した。

- 本田圭佑氏:プロサッカー選手、投資家、起業家支援者
- 溝口勇児氏:FiNC Technologies創業者、WEINの事業立ち上げを担う起業家
- 高岡浩三氏:元ネスレ日本代表取締役社長兼CEO、経営・企業統治の経験を持つ経営者

設立発表資料によれば、WEIN挑戦者FUNDの目的は、Well-Being(ウェルビーイング)に関わる国内スタートアップへの投資だけではない。資金調達、マーケティング、人材確保など、起業家が直面する課題を専門家の知見で解決することも掲げていた。

つまり、投資家と起業家を結びつけるだけでなく、投資先の成長を実務面から支援する事業モデルだったのである。

本田圭佑が溝口勇児に声をかけた経緯

2人の関係を理解するうえで重要なのが、WEINの構想が生まれたきっかけだ。

2021年3月のダイヤモンド・オンラインのインタビューで、本田氏は溝口氏がFiNCの代表取締役CEOを退任した際、自分から連絡したと説明している。

本田氏にとって、溝口氏は単に知名度のある起業家ではなかった。事業を立ち上げ、資金を集め、成長させる経験を持つ人物だった。

一方、溝口氏にとっても、本田氏の知名度や国内外の投資家とのネットワークは大きな強みだった。

本田氏の発信力、溝口氏の事業推進力、高岡氏の経営経験。この3つを組み合わせることで、従来のベンチャーキャピタルとは異なる支援体制を構築しようとしていた。

WEIN Financial GroupとWEIN Incubation Groupの役割

2020年11月11日には、WEIN Financial GroupとWEIN Incubation Groupの設立が発表された。

それぞれの役割は次のように整理できる。

WEIN Financial Group

スタートアップへの資金面の支援を担当する組織。投資や成長資金の戦略を通じて、起業家の資金調達上の課題を解決することを目指した。

WEIN Incubation Group

人材や経営ノウハウなど、事業成長に必要な人的リソースを支援する組織。コンサルティングや事業開発などを担う構想だった。

加えて、本田氏によるエンジェル投資枠「KSK Angel by WEIN挑戦者FUND」も発表された。

この時期のWEINは、事業規模を拡大し、支援体制を整えようとしていた段階だった。ところが、組織の拡張が進む一方で、経営陣の意思決定や権限の整理が追いつかなかったことが、後の対立につながっていく。

【設立から約9カ月】WEINファンド崩壊までの時系列と関係者

本田圭佑溝口

WEIN騒動を理解するには、設立発表から2021年春までの流れを押さえる必要がある。

特に重要なのは、2020年12月1日の退任要求と、2021年2月19日の主要経営陣の退任だ。

関係者と出来事を一覧で整理
人物・組織 WEINでの立場 主な動き・関係
本田圭佑 ファウンダー・代表パートナー 溝口氏に声をかけて事業を開始。2021年2月19日に退任
溝口勇児 創業者・代表取締役・GP WEINの事業運営を主導。退任要求を受けた後も残留
高岡浩三 ファウンダー・代表パートナー 企業統治の問題を指摘。2021年2月19日に退任
西本博嗣 WEIN Incubation Group代表 旧経営陣側の中心人物として報じられた
岡本彰彦 WEIN Financial Group代表 ファンド関連事業の経営を担当
WEIN Financial Group 資金支援組織 スタートアップへの投資・資金面の支援
WEIN Incubation Group 事業支援組織 人材・経営ノウハウ・事業開発の支援

出典:WEINの設立発表、Business Insider Japan、DIAMOND SIGNAL、NewsPicksの当事者インタビューをもとに整理。

2020年5月28日:WEIN挑戦者FUND設立発表

本田氏、高岡氏、溝口氏がファウンダーとなる構想を発表。

スタートアップへの投資と経営支援を組み合わせる新しい仕組みとして期待された。

2020年11月11日:グループ事業を拡張

WEIN Financial GroupとWEIN Incubation Groupの設立を発表。

本田氏のKSK Angelも発表され、ファンド運営と起業家支援の両面で事業を拡大しようとしていた。

2020年12月1日:溝口氏への退任要求

WEINの経営陣による会議で、溝口氏に対して代表退任とグループからの退陣を求める動きが発生した。

NewsPicksのインタビューでは、本田氏がこの日のやり取りについて語っている。

一方、溝口氏は後に、退任要求が突然の出来事だったと振り返った。

2021年2月19日:本田氏・高岡氏らが退任

本田氏と高岡氏を含むファンドの代表パートナー3人、グループ会社1社の代表が退任。

これによって、当初の共同運営体制は事実上崩壊した。

2021年3月19〜20日:会社と溝口氏が説明

3月19日、WEIN Groupが一連の報道について会社としての説明を公表。

翌20日には、溝口氏も自身のnoteで関係者への謝罪と今後の対応を発表した。

同氏はファンドの解散・整理と、LP(有限責任組合員)への出資額の返還を目指す方針を示している。

ここで注意したいのは、「WEIN GROUP全体の消滅」と「WEIN挑戦者FUNDの解散」は同じ意味ではないという点だ。

実際に大きな問題となったのは、当初の共同経営体制とファンド運営の崩壊だった。

【対立の理由】本田圭佑が溝口勇児に退任を求めた3つの問題

なぜ、本田氏は自ら誘った溝口氏に退任を求める立場になったのか。

2021年2月から3月にかけて公開されたNewsPicks、Business Insider Japan、DIAMOND SIGNALの取材を整理すると、対立の中心には大きく3つの問題があった。

1. 資金管理と経費の透明性

最初の問題は、会社のお金がどのように使われていたのかという点だ。

旧経営陣側は、溝口氏の自宅に関する契約金や家賃などの支出について、経営陣への説明や機関決定が不十分だったと指摘した。

本田氏は2021年3月のDIAMOND SIGNALのインタビューで、WEINに投資していた立場でありながら、こうした支出について知らなかったという趣旨の説明をしている。

特に本田氏が問題視したのは、支出が法律に違反するかどうかだけではなかった。

投資家から預かった資金を扱う組織として、経営陣が納得できる説明と手続きが整っていたかという問題だった。

一方、溝口氏側は、家賃や報酬の仕組みについて関係者に説明していたと主張。経営上の合理性がある支出であり、私的な資金流用ではないという立場を示していた。

2. パワハラ・モラハラをめぐる認識の違い

2つ目は、組織内のコミュニケーションとマネジメントの問題である。

旧経営陣側は、溝口氏の強い言動によって従業員が休職・退職する状況が生まれたと指摘した。

これに対し、溝口氏は当時のインタビューで、指摘された従業員との接触状況などを説明し、パワハラの主張に反論していた。

この問題について、本田氏と溝口氏の間にも認識の違いがあった。

組織を急成長させるための厳しいマネジメントと、社員や共同経営者が安心して働ける環境をどう両立させるか。

単純に経営者の性格だけで片付けられない、企業統治と組織運営の問題が存在していた。

3. 意思決定の独断とガバナンスの問題

3つ目は、経営判断を誰が、どのような手順で決めるのかという問題だ。

DIAMOND SIGNALの取材によると、旧経営陣側は次のような問題を指摘していた。

- 他の代表パートナーへの相談が不十分な投資判断
- 経営陣が把握していない資金の動き
- 組織運営における意思決定の偏り
- 大手金融機関からの資金調達に影響する信用面の問題

特に注目すべきなのは、高岡氏の立場だ。

高岡氏は単に溝口氏と意見が合わなくなったわけではない。自ら企業統治のチェックを主導したと説明している。

Business Insider Japanのインタビューでは、高岡氏は、経営陣同士で資金の流れが見えていなかったことを問題視していた。

また、高岡氏は法律違反の有無と企業統治の適切さは別問題だという考えを示している。

本田圭佑と溝口勇児、それぞれの主張

ここで重要なのは、両者の説明が同じではないことだ。


本田圭佑氏の立場

- 投資家として資金管理の透明性を重視。
- 経費や組織運営に対する説明が不十分だったと認識。
- 倫理面で納得できない問題があったため、共同経営を続けられないと判断。

溝口勇児氏の立場

- 資金の私的流用やパワハラなどの指摘に反論。
- 経営判断には合理性があり、関係者にも説明していたと主張。
- 旧経営陣との意思疎通やコミットメントの不足も問題だったと説明。

溝口氏は2022年12月のThe Keypersonのインタビューでも、当時の経営陣との間で、事業へのコミットメントや時間の使い方に大きな違いがあったと振り返っている。

同氏の説明では、自分は事業を成長させることを最優先にしていた一方、他の経営陣との意思決定や調整に時間を取られることもあったという。

この振り返りからも、単なる個人的な不仲ではなく、経営のスピードと合議制のどちらを優先するかという根本的な違いがあったことが分かる。

【訴訟・裁判の経緯】本田圭佑と溝口勇児が直接裁判で争ったのか

この問題で検索されることが多いのが、「本田圭佑と溝口勇児は裁判をしたのか」「溝口勇児は敗訴したのか」という疑問だ。

ここは正確に整理する必要がある。

WEIN騒動に関連する民事訴訟は確認できるが、2025年1月の東京高裁事件は、本田氏と溝口氏が直接争った裁判ではない。

2021年:経営対立から法的紛争へ

2021年の内部対立後、溝口氏は旧経営陣側からの指摘や発信について反論を続けた。

同氏は2021年3月20日のnoteで、会社の公式見解を発表したことに触れ、旧経営陣や株主、従業員などの関係者と対話する意思を示している。

その一方、後年には旧経営陣側の人物を相手とする民事訴訟が確認されるようになった。

2024年:WEIN関係者を相手とする民事訴訟

裁判ウォッチャーとして活動する山口三尊氏の公開記録には、2024年2月に溝口氏とグループ会社社長との間の訴訟が掲載されている。

同記録では、社内会議での発言をめぐる名誉毀損の問題や、発言の公然性、摘示された事実の真実性などが争点として紹介されていた。

また、別件として、溝口氏と土屋博嗣氏との民事訴訟も確認できる。

2024年5月6日には東京地裁で判決が出され、溝口氏側の請求が棄却されたと裁判ウォッチャーの公開記録に記載されている。

2025年1月16日:東京高裁が控訴を棄却

土屋氏との訴訟では、溝口氏側が控訴した。

事件番号は令和6年(ネ)第2921号。

2025年1月16日、東京高等裁判所は控訴を棄却した。つまり、一審の請求棄却という判断が維持された。

この判決について、裁判ウォッチャーの山口三尊氏が判決文の抜粋を紹介し、山本一郎氏も2025年4月13日にその内容を引用した解説記事を公開している。

判決をめぐって特に注目されたのは、次の論点だ。

- FiNC時代の経営実績と、銀行・大手企業の出資判断に関する信用リスク
- WEINの経営における強い口調での叱責など
- WEINの機関決定を経ずに自宅の契約金や家賃などを支出したとされる問題

判決抜粋を引用した解説では、これらの一部について、裁判所が証拠に基づく事実として認めたと紹介されている。

ただし、裁判所の判断を正確に理解するには、いくつかの区別が必要だ。

第一に、これは民事訴訟である。

横領罪などの刑事事件で有罪判決が出たという意味ではない。

第二に、民事上の名誉毀損の判断と、刑事責任の判断は別である。

会社の経費処理に問題があったと認定されることと、刑法上の犯罪が成立することは同じではない。

第三に、「グレーな人物や団体」との関係についても、裁判所が反社会的勢力との関係を事実認定したと理解するのは誤りだ。

判決抜粋を引用した解説では、この表現については意味が曖昧で、文脈上、社会的評価を低下させる事実の摘示とはいえないという判断が紹介されている。関係の真偽そのものを認定したわけではない。

2026年11月現在、裁判はどうなっている?

2026年11月6日時点で確認できる主要な司法上の動きは、2025年1月16日の東京高裁による控訴棄却である。

その後の最高裁での判断や上告の有無を確定できる公表資料は確認できない。

また、2024年に記録されている別件の訴訟についても、同じ控訴事件と混同してはならない。

したがって、現在の状況は次のように整理できる。

確認事項 状況
本田氏と溝口氏の直接対決 2025年の高裁事件の当事者ではない
WEIN関係者との民事訴訟 複数の関連事件が確認できる
土屋博嗣氏との訴訟 2024年一審で請求棄却
東京高裁の判断 2025年1月16日、控訴棄却
刑事事件での横領罪有罪 この民事判決を根拠に認定することはできない
最高裁での最終判断 公表情報から確認できない

つまり、「本田圭佑が溝口勇児との裁判に勝った」という説明は正確ではない。

正しくは、WEINの内部対立を背景に溝口氏と関係者の間で民事訴訟が発生し、そのうち確認できる一件では溝口氏側の請求が一審・控訴審ともに退けられた、という経緯である。

【2026年現在】本田圭佑と溝口勇児の関係、WEIN GROUPのその後

WEINの騒動から約5年半が経過した2026年、溝口氏の事業環境には大きな変化が起きている。

特に注目すべきなのが、2026年9月29日のグループ再編だ。

溝口勇児は現在YOAKE GroupのCEO

2026年9月29日、WEIN / BACKSTAGE Groupは、持株会社の商号を株式会社YOAKEに変更し、YOAKE Groupとして再始動した。

同社の発表によれば、グループは全30社で構成されている。

事業領域は、2020年のWEINが掲げていたスタートアップ支援中心の構想から大きく変化した。

現在は、次のような分野を展開している。

- 格闘技・興行:BreakingDown
- 経済・ビジネス番組:REAL VALUE
- 報道・メディア:NoBorder
- 教育:HERO'ZZ、CREATOR'ZZ、AI+
- エンターテインメント:音楽フェス、映像制作など

公式発表では、エンターテインメント、マーケティング、教育を軸に事業を拡大していると説明されている。

また、YOAKE Groupの公式役員紹介には、溝口氏がCEOとして掲載されている。グループ会社一覧には株式会社WEIN Groupも残っている。

つまり、2026年現在、WEINという名称が完全に消滅したわけではない。持株会社のブランドがYOAKEに変わったというのが正確な理解だ。

本田圭佑はWEINから離れ、独自の活動を継続

一方、本田氏は2021年2月にWEIN挑戦者FUNDの代表パートナーを退任している。

その後、溝口氏と共同でWEINを運営する体制に戻ったという公式発表は確認できない。

本田氏はサッカーや投資、起業家支援など独自の活動を継続しており、WEINの共同事業とは別の道を歩んでいる。

ここで大切なのは、2人の関係について「完全に和解した」「現在も激しく争っている」といった極端な説明をしないことだ。

溝口氏は2021年3月のnoteで、将来また互いを認められる関係になれればという趣旨の思いを記していた。しかし、これは当時の本人の希望であり、実際に和解したことを示す発表ではない。

【溝口勇児の評判】実業家としての実績とWEIN騒動への評価

溝口勇児氏の評判を調べると、起業家としての実績を評価する見方と、経営手法やガバナンスに疑問を呈する見方がある。

この2つは分けて考える必要がある。

FiNC Technologies創業者としての実績

溝口氏は2012年にFiNC Technologiesを創業した。

ヘルスケアアプリを展開し、健康管理や生活習慣の改善をサポートする事業を推進。公式プロフィールでは、アプリのダウンロード数が1,200万を突破し、総額150億円超の資金調達を実施したと紹介されている。

その後、2020年3月末に代表を退任した。

一方で、FiNCの経営については、Business Insider Japanが2019年1月から12月までの業績として約47億円の純損失を報じている。

資金調達の規模やアプリの利用者数だけで、企業経営の成功を判断できないことを示す事例でもある。

WEIN騒動で批判された経営スタイル

WEIN騒動で批判の対象になったのは、溝口氏の意思決定の速さそのものというより、その意思決定を組織全体がどう支えるかという部分だった。

2022年のThe Keypersonのインタビューでは、溝口氏自身が、当時の経営陣とのコミュニケーション不足や、事業に対するコミットメントの違いについて振り返っている。

この発言は、本人が考える騒動の原因を知るうえで重要だ。

一方、2025年の東京高裁判決では、WEIN騒動に関連する名誉毀損訴訟において、旧経営陣側の一部の指摘について事実性が認められたと判決抜粋を引用した解説が紹介している。

したがって、現在の溝口氏の評判を考える際には、本人の説明だけでも、批判記事だけでもなく、司法判断を含めて考える必要がある。

溝口勇児の評価で見るべき4つのポイント
評価項目 注目すべき内容
起業実績 FiNCの創業、資金調達、事業展開
事業推進力 BreakingDown、REAL VALUEなどの企画・運営
組織マネジメント WEINで表面化した意思決定とコミュニケーションの問題
ガバナンス 資金管理、経費処理、経営陣への説明責任

ネット上の評判を調べる場合も、匿名の書き込みや刺激的な見出しだけで人物像を決めつけないことが大切だ。

特に溝口氏の場合、事業の実績と組織運営の評価を分けて考えることで、より立体的な人物像が見えてくる。

【プロの結論】WEIN GROUP崩壊から分かるスタートアップ経営の本質

WEIN GROUPの騒動は、著名人同士の喧嘩として扱われることが多い。しかし、実際にはスタートアップの経営において重要な問題を浮き彫りにした出来事だった。

注目すべきは、3人のファウンダーがそれぞれ異なる強みを持っていたにもかかわらず、共同経営の仕組みを十分に機能させられなかったことだ。

1. 知名度と実績だけでは組織は維持できない

本田氏の知名度、高岡氏の経営経験、溝口氏の起業経験。

それぞれが魅力的な要素だったことは間違いない。

しかし、著名な人物が集まることと、組織が円滑に運営されることは別問題だ。

共同経営では、誰が最終判断をするのか、どの支出に承認が必要なのか、問題が起きた場合に誰が説明責任を負うのかを事前に決めておく必要がある。

2. ファンド運営では投資家への説明責任が最優先

一般的な起業家の資金調達と、他者から資金を預かるファンド運営には大きな違いがある。

ファンドでは、投資判断だけでなく、資金の保管、支出、管理、報告までが重要になる。

WEINでは、この点をめぐる不信感が経営陣の分裂につながった。

溝口氏がどれほど事業を成長させようとしていても、投資家や共同経営者が資金の流れを理解できなければ、信頼関係は維持できない。

3. 経営スピードと企業統治は両立させるべき

スタートアップでは、迅速な意思決定が競争力になる。

一方、意思決定のスピードを優先しすぎると、他の経営陣への共有や説明が後回しになる。

WEINの問題は、このバランスを十分に構築できなかったことにある。

これは特定の人物だけの問題ではなく、急成長を目指す企業が共通して向き合うべき課題だ。

WEIN GROUPの崩壊から得られる最大の教訓は、事業を前に進める能力と、他者から預かった資金・信頼を守る能力は、どちらも経営者に必要だということだ。

【本田圭佑と溝口勇児】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:本田圭佑と溝口勇児はなぜ対立したのですか?

本田氏を含む旧経営陣と溝口氏の間で、資金管理、経費の透明性、パワハラをめぐる認識、経営判断の進め方に違いが生まれたためです。特に企業統治の考え方の相違が決裂の大きな要因となりました。

Q2:WEIN GROUPは本当に設立から9カ月で崩壊したのですか?

2020年5月28日の設立発表から2021年2月19日の主要経営陣の退任まで、約9カ月です。ただし、厳密にはファンド運営と当初の共同経営体制が崩壊したという意味であり、関連する法人や事業がすべて消滅したわけではありません。

Q3:本田圭佑と溝口勇児は直接裁判をしたのですか?

2025年1月の東京高裁事件は、本田氏と溝口氏の直接対決ではありません。溝口氏とWEIN関係者との間で発生した民事訴訟と混同されているケースがあります。

Q4:溝口勇児は裁判で敗訴したのですか?

土屋博嗣氏との民事訴訟では、2024年の一審で請求が棄却され、2025年1月16日の東京高裁でも控訴が棄却されました。ただし、これは民事上の名誉毀損をめぐる判断であり、刑事事件で横領罪の有罪判決が出たという意味ではありません。

Q5:2026年現在、WEIN GROUPはどうなっていますか?

2026年9月29日、WEIN / BACKSTAGE Groupは持株会社の商号を株式会社YOAKEに変更し、YOAKE Groupとして再始動しました。公式サイトには株式会社WEIN Groupもグループ会社として掲載されています。

Q6:溝口勇児は現在何をしているのですか?

2026年現在、YOAKE GroupのCEOとして、BreakingDown、REAL VALUE、NoBorderなどの事業に関わっています。教育、エンターテインメント、マーケティングなどにも事業領域を広げています。

本田圭佑氏と溝口勇児氏の対立は、2020年に始まったWEIN挑戦者FUNDの共同経営が、わずか約9カ月で崩壊したことから始まった。

その背景には、資金管理、経費処理、ハラスメントをめぐる認識の違い、そして経営判断と企業統治に対する考え方の相違があった。

その後、溝口氏とWEIN関係者との間では民事訴訟も発生し、2025年1月には東京高裁で控訴棄却の判断が出ている。ただし、本田氏と溝口氏が直接裁判で争ったという説明は正確ではない。

そして2026年9月には、溝口氏が率いるWEIN / BACKSTAGE GroupがYOAKE Groupへと再編された。

今回の騒動を振り返ると、成功するスタートアップに必要なのは、優れたアイデアや資金力、知名度だけではないことが分かる。

事業を成長させる推進力、透明性のある資金管理、そして共同経営者同士の信頼。この3つを両立できるかどうかが、企業の長期的な成長を左右する。

本田氏と溝口氏が再び同じ事業を手掛けるかどうかは分からない。しかし、WEINの9カ月間は、日本のスタートアップ業界にとって、共同経営とガバナンスの難しさを考える重要な事例として残っている。

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百瀬 栞菜

調理師免許を持つフードライター。栄養価は公的食品データベース、調理法はメーカー公式表記で裏取りし、旬は市場入荷記録を参照します。

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