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【まず整理】MLBのホームラン記録は通算とシーズンで何が違う?

棗 快 棗 快 • 更新: • 公開: • 読了約 21 分
目次

MLBのホームラン記録を調べる際、最初に区別したいのが「通算本塁打」と「シーズン最多本塁打」の2種類だ。

通算本塁打は、選手がメジャーリーグで現役生活を送る間に積み重ねたレギュラーシーズンの本塁打数を指す。長いキャリアを維持し、毎年安定して本塁打を打つ能力が求められる。

一方、シーズン最多本塁打は、1年間のレギュラーシーズンだけで何本打ったかを競う記録だ。こちらは短期間に圧倒的な長打力を発揮する能力に加え、出場試合数やコンディションも大きく関係する。

また、毎年のリーグ本塁打王とMLB全体のシーズン最多記録も同じではない。アメリカンリーグとナショナルリーグでは、それぞれのリーグ内で本塁打王が決まるが、歴代最多記録は両リーグを通じて比較する。

MVPやハンク・アーロン賞も本塁打王とは別の評価制度だ。MVPは選手の総合的な貢献を評価する賞であり、本塁打数だけで受賞者が決まるわけではない。

この違いを理解すると、ボンズの762本、73本という記録と、ジャッジやローリーの偉業を正確に比較できる。

【MLB通算本塁打ランキング】バリー・ボンズ762本が歴代1位

mlbホームラン記録

MLB公式の通算打撃成績によると、歴代1位はバリー・ボンズの762本。2位のハンク・アーロンは755本、3位のベーブ・ルースは714本となっている。

ボンズとアーロンの差はわずか7本だ。両者とも700本を超える圧倒的な実績を残しているが、通算本塁打の頂点にはボンズが立っている。

MLB歴代通算本塁打トップ10
順位 選手名 通算本塁打 主な記録・特徴 1位 バリー・ボンズ 762本 MLB歴代最多 2位 ハンク・アーロン 755本 長年にわたる安定した打撃 3位 ベーブ・ルース 714本 野球史を代表する強打者 4位 アルバート・プホルス 703本 700本塁打達成者 5位 アレックス・ロドリゲス 696本 遊撃手としても活躍 6位 ウィリー・メイズ 660本 走攻守を兼ね備えた名選手 7位 ケン・グリフィー・ジュニア 630本 左打ちの代表的な強打者 8位 ジム・トーミ 612本 600本塁打超え 9位 サミー・ソーサ 609本 シーズン60本塁打を3度達成 10位 フランク・ロビンソン 586本 通算500本塁打超え

出典:MLB公式・通算本塁打ランキング。2026年11月時点。レギュラーシーズン通算成績。

1位バリー・ボンズ:762本


762本


1986~2007年にMLBでプレー
通算本塁打、シーズン最多本塁打の両方で歴代最高記録を保持する選手。

ボンズはピッツバーグ・パイレーツとサンフランシスコ・ジャイアンツでプレーし、22年間のキャリアで762本を記録した。

特筆すべきなのは、本塁打だけでなく選球眼にも優れていたことだ。MLB公式成績では通算2,558四球も記録している。相手投手から勝負を避けられるほどの存在感を持ち、打席での威圧感も際立っていた。

一方、ボンズの記録は、当時の薬物問題をめぐる議論とも切り離せない。1990年代後半から2000年代初頭の本塁打競争は、後年の薬物使用に関する報道によって評価が複雑になった。それでも、MLB公式記録上の762本と73本は現在も歴代最高として掲載されている。

2位ハンク・アーロン:755本


755本


1954~1976年にMLBでプレー
長期にわたる安定感と継続性を象徴する通算記録。

ハンク・アーロンは、長い現役生活を通じて本塁打を積み上げた選手だ。

通算3,298試合に出場して755本を記録。ボンズの2,986試合より312試合多く出場している。両者の比較では、単純な本数だけでなく、出場期間や年間の生産性も考える必要がある。

アーロンは1974年にベーブ・ルースの通算714本を超え、当時のMLB通算本塁打新記録を樹立した。その後、ボンズに更新されるまで長く歴代1位の座を守った。

3位ベーブ・ルース:714本


714本


1914~1935年にMLBでプレー
近代野球におけるホームラン打者の象徴的存在。

ベーブ・ルースは、ホームランが野球の魅力を大きく変えるきっかけを作った選手の一人だ。

1920年代には、長打力を武器に圧倒的な存在感を示した。1927年にはシーズン60本塁打を記録し、当時の歴代最多記録を更新。その数字は34年間にわたって破られなかった。

現在の714本という通算記録は3位だが、打率.342、出塁率.474という数字も残している。単なるホームラン専門の打者ではなく、総合的な打撃能力でも突出していた。

【MLBシーズン最多本塁打記録】バリー・ボンズの73本はなぜ破られない?

MLBのシーズン最多本塁打記録は、バリー・ボンズが2001年に達成した73本だ。

1998年にマーク・マグワイアが70本を打って当時の記録を更新したが、ボンズはその3年後に73本まで数字を伸ばした。MLB公式の記録紹介でも、現在まで破られていない歴代最高記録として扱われている。

MLB歴代シーズン最多本塁打ランキング
順位 選手 本塁打 年
1位 バリー・ボンズ 73本 2001年
2位 マーク・マグワイア 70本 1998年
3位 サミー・ソーサ 66本 1998年
4位 マーク・マグワイア 65本 1999年
5位 サミー・ソーサ 64本 2001年
6位 サミー・ソーサ 63本 1999年
7位 アーロン・ジャッジ 62本 2022年
8位 ロジャー・マリス 61本 1961年
9位タイ ベーブ・ルース 60本 1927年
9位タイ カル・ローリー 60本 2025年

出典:MLB公式のシーズン最多本塁打記録、Baseball-Reference。

2001年に生まれた73本の衝撃

ボンズの2001年は、シーズン序盤から異例のペースで本塁打を量産した。

MLB公式の記録紹介によれば、5月末までの49試合で28本塁打を放ち、その後も勢いを維持。シーズン終盤には70本でマーク・マグワイアの記録に並び、ドジャースとの最終シリーズで71本、72本、73本と記録を伸ばした。

最後の73号は2001年10月7日のシーズン最終戦で生まれた。記録を最後の試合まで伸ばし続けたことも、このシーズンの印象を強くしている。

アーロン・ジャッジの62本はMLB全体の記録なのか?


62本


2022年・アメリカンリーグ記録

ジャッジは2022年、シーズン62本塁打を記録し、ロジャー・マリスが1961年に達成した61本を上回った。

この記録で重要なのは、62本がアメリカンリーグのシーズン最多本塁打記録だという点だ。MLB全体の歴代最多は、ナショナルリーグのボンズが記録した73本であり、ジャッジの62本とは区別する必要がある。

ジャッジの偉業は、長く残っていたアメリカンリーグの記録を61年ぶりに更新したことにある。2022年10月4日、62号を放ってマリスを超え、翌日のMLB公式記事でも新たなリーグ記録保持者として紹介された。

ロジャー・マリスの61本が持つ意味


61本


1961年・アメリカンリーグ記録(当時)

1961年のマリスは、ベーブ・ルースの60本を超える61本を記録した。

ルースの記録が34年間も維持されていたことから、61本への到達は当時の野球界にとって大きな出来事だった。加えて、マリスはシーズン最終日に記録を更新している。

その後、ジャッジが2022年に62本を記録するまで、マリスの61本はアメリカンリーグの歴史的な基準として残り続けた。

【60本塁打達成者一覧】MLB史上わずか7人、10回の偉業

MLBでシーズン60本塁打を達成した選手は、2025年のカル・ローリーを含めて歴代7人。達成回数は合計10回となっている。

この数字は、60本塁打が単なる好成績ではなく、野球史に残る特別な到達点であることを示している。MLB公式もローリーの2025年の達成を、史上7人目、通算10回目の60本塁打として紹介した。

60本塁打以上を達成した7人



1. ベーブ・ルース

60本


1927年・ニューヨーク・ヤンキース
60本塁打時代の原点となった歴史的な記録。


2. ロジャー・マリス

61本


1961年・ニューヨーク・ヤンキース
ルースの記録を更新したアメリカンリーグの象徴。


3. マーク・マグワイア

70本・65本


1998年・1999年
1998年に70本を記録し、ルースとマリスの時代を塗り替えた。


4. サミー・ソーサ

66本・64本・63本


1998年・2001年・1999年
60本以上を3度達成した唯一の選手。


5. バリー・ボンズ

73本


2001年・サンフランシスコ・ジャイアンツ
現在も破られていないMLBシーズン最多記録。


6. アーロン・ジャッジ

62本


2022年・ニューヨーク・ヤンキース
アメリカンリーグのシーズン最多記録を更新。


7. カル・ローリー

60本


2025年・シアトル・マリナーズ
捕手として史上初の60本塁打を達成。


カル・ローリーの60本が特別な理由

の2025年シーズンは、60本塁打という数字以外にも注目すべき点がある。

最大の特徴は、ローリーが捕手であることだ。捕手は投手との連携や守備面での負担が大きく、毎試合フル出場することが難しいポジションでもある。その選手がシーズンを通じて60本もの本塁打を記録した。

MLB公式によると、ローリーは2025年9月24日のロッキーズ戦で59号と60号を放った。この日はマリナーズが2001年以来となるアメリカンリーグ西地区優勝を決めた日でもあった。

加えて、捕手としてのシーズン最多本塁打、スイッチヒッターとしてのシーズン最多本塁打、マリナーズの球団記録も更新した。

つまり、ローリーの60本は単に歴代9位タイに入る数字ではない。ポジションと打撃スタイルの両面で、歴史的な意味を持つ記録なのだ。

【2026年MLB本塁打ランキング】45本で並んだ2人と村上宗隆の成績

2026年11月6日現在、2026年のMLBレギュラーシーズンは終了している。MLB公式が9月27日に発表した最終成績によると、MLB全体の本塁打トップは、ピート・クロウ=アームストロングとカイル・シュワーバーの45本だった。

2025年に60本塁打を達成したカル・ローリーの翌年は、45本がMLB全体の最多となった。60本の壁を超える選手は現れず、73本という歴代記録との差も依然として大きい。

2026年のMLB本塁打トップ10
順位 選手 球団 本塁打
1位タイ ピート・クロウ=アームストロング カブス 45本
1位タイ カイル・シュワーバー フィリーズ 45本
3位 ピート・アロンソ オリオールズ 43本
4位タイ ヨルダン・アルバレス アストロズ 42本
4位タイ ジュニア・カミネロ レイズ 42本
6位タイ ハンター・グッドマン ロッキーズ 41本
6位タイ マット・オルソン ブレーブス 41本
6位タイ ベン・ライス ヤンキース 41本
9位 ラファエル・デバース ジャイアンツ 37本
10位タイ ブランドン・ロウ パイレーツ 35本
10位タイ 村上宗隆 ホワイトソックス 35本

出典:MLB公式2026年レギュラーシーズン打撃成績。順位は同数の場合タイ。

2026年のリーグ別ホームラン王

2026年は、アメリカンリーグとナショナルリーグで本塁打王の顔ぶれが異なる。



アメリカンリーグ
ピート・アロンソ(オリオールズ)

43本




ナショナルリーグ・MLB全体最多タイ
ピート・クロウ=アームストロング(カブス)

45本




ナショナルリーグ・MLB全体最多タイ
カイル・シュワーバー(フィリーズ)

45本




アロンソはオリオールズ移籍1年目にアメリカンリーグ最多の43本を記録した。一方、クロウ=アームストロングとシュワーバーは45本で並び、MLB全体のトップに立った。

クロウ=アームストロングは本塁打だけでなく、41盗塁も記録している。162試合に出場し、攻守にわたる活躍を見せた点も2026年の大きなトピックだ。

村上宗隆は2026年に35本塁打を記録


35本


2026年・ホワイトソックス
127試合出場、454打数で35本塁打を記録。

日本の野球ファンにとって注目したいのが、村上宗隆の成績だ。

2026年の村上はホワイトソックスで35本塁打を記録し、MLB全体のランキングで10位タイに入った。127試合での35本という数字は、長打力を示すインパクトのある結果だ。

特に、2026年のMLB全体のトップが45本だったことを考えると、村上はリーグ全体でも上位の本塁打生産力を発揮したことになる。

ただし、35本は60本塁打クラブの水準とはまだ差がある。今後は出場試合数を確保しながら、シーズンを通して本塁打ペースを維持できるかが注目点となる。

【記録更新の可能性】73本・762本を超える選手は現れるのか?

MLBのホームラン記録を今後更新する可能性はある。ただし、通算記録とシーズン記録では、求められる条件が大きく異なる。

シーズン73本を超えるために必要なこと

現行の162試合制を前提に考えると、73本塁打を達成するには1試合平均約0.45本のペースが必要になる。単純計算では、約2.2試合に1本の割合だ。

2026年のMLB全体トップは45本だった。73本との差は28本であり、2022年のジャッジの62本と比較しても11本の開きがある。

2025年のローリーの60本も歴史的な数字だが、73本には13本届いていない。60本を達成すること自体が非常に難しく、その先の70本台はさらに別格の領域だ。

記録更新を考えるうえで重要なのは、単純な長打力だけではない。

  • 出場試合数:故障や休養による欠場を抑え、打席数を確保する。
  • 本塁打ペース:序盤だけでなく、夏場からシーズン終盤まで長打力を維持する。
  • 選球眼:相手投手から勝負を避けられた場合も、四球を選びながら好機を待つ。
  • 対戦投手への対応:左右の投手や球種の違いに適応し、安定して長打を打つ。
  • コンディション管理:162試合という長いシーズンを戦い抜く体力を保つ。

ジャッジやローリーの実績は、現代のMLBでも60本台に到達できる選手がいることを示した。しかし、73本を超えるには、シーズンを通じて歴史的なペースを維持する必要がある。

通算762本の更新には長期的な活躍が必要

通算762本の更新は、シーズン記録以上に長期的な難しさを伴う。

仮に毎年40本塁打を記録する選手がいたとしても、762本に到達するには19年以上の継続が必要になる。毎年50本を打てるとしても、15年以上かかる計算だ。

実際には、若手時代から主力として出場し、30代以降も長打力を維持しなければならない。故障や成績の変動、チーム事情による出場機会の変化もある。

通算記録は、単年の爆発力だけでは達成できない。若い時期から長期間にわたって高い打撃能力を保ち続けることが不可欠だ。

【プロの結論】MLBのホームラン記録を比較するときの3つの判断基準

MLBの歴代ホームラン記録を正しく理解するには、数字の大きさだけでなく、どの条件で達成された記録なのかを確認することが大切だ。

1つ目は、通算とシーズンを混同しないこと。762本はキャリア全体の記録であり、73本は1シーズンの記録だ。両者は同じ本塁打数でも評価の尺度が違う。

2つ目は、リーグ記録とMLB全体の記録を区別すること。ジャッジの62本はアメリカンリーグ記録であり、ボンズの73本はMLB全体の記録だ。ローリーの60本は捕手とスイッチヒッターのシーズン記録という別の価値を持っている。

3つ目は、選手のキャリアや時代背景を考慮すること。ベーブ・ルース、ハンク・アーロン、バリー・ボンズでは、プレーした時代も試合環境も異なる。数字を単純に並べるだけでなく、それぞれがどのような環境で記録を達成したのかを見ることで、野球史の理解が深まる。

この3つを意識すれば、歴代ランキングの順位だけでは見えてこない選手の価値や記録の重みも理解できる。

【MLBホームラン記録】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:MLBの通算ホームラン記録を持っている選手は誰?

A1:バリー・ボンズだ。通算762本を記録し、ハンク・アーロンの755本、ベーブ・ルースの714本を上回っている。

Q2:MLBのシーズン最多ホームラン記録は何本?

A2:2001年にバリー・ボンズが記録した73本だ。マーク・マグワイアの70本を超え、2026年11月現在もMLB歴代最多となっている。

Q3:アーロン・ジャッジの62本はMLB記録?

A3:MLB全体のシーズン最多記録ではなく、アメリカンリーグのシーズン最多本塁打記録だ。2022年にロジャー・マリスの61本を更新した。

Q4:カル・ローリーはなぜ60本塁打で注目された?

A4:2025年に60本を記録し、捕手として史上初めてシーズン60本塁打に到達したためだ。スイッチヒッターとしてのシーズン最多本塁打記録やマリナーズの球団記録も更新した。

Q5:2026年のMLBホームラン王は誰?

A5:MLB全体ではピート・クロウ=アームストロングとカイル・シュワーバーが45本で並んだ。アメリカンリーグではピート・アロンソが43本で最多だった。

Q6:MLBで60本塁打以上を打った選手は何人いる?

A6:2025年のカル・ローリーを含めて7人。ベーブ・ルース、ロジャー・マリス、マーク・マグワイア、サミー・ソーサ、バリー・ボンズ、アーロン・ジャッジ、カル・ローリーで、達成回数は合計10回だ。

MLBのホームラン記録は、長い野球史の中で積み重ねられてきた偉大な数字の集合体だ。

通算本塁打ではバリー・ボンズの762本が歴代1位。ハンク・アーロンの755本、ベーブ・ルースの714本が続く。シーズン最多本塁打では、ボンズが2001年に達成した73本が現在も頂点に立っている。

アーロン・ジャッジの62本はアメリカンリーグの歴史を塗り替え、カル・ローリーの60本は捕手として初めての快挙となった。異なる時代、異なるポジションの選手が、それぞれ独自の形で歴史に名を刻んでいる。

そして2026年は、クロウ=アームストロングとシュワーバーが45本でMLB全体の最多に並び、村上宗隆も35本を記録した。新たなスターが台頭する一方、73本や762本という記録の高さも改めて浮き彫りになった。

今後の注目は、ジャッジやローリーに続く60本塁打達成者が現れるか、そして誰かがボンズの73本に迫るかどうかだ。MLBのホームラン記録は、過去の伝説を振り返るだけでなく、次の歴史的瞬間を見つけるための指標でもある。

記事の主要参照資料:MLB公式通算打撃成績、MLB公式シーズン最多本塁打記録、MLB公式2025年・2026年レギュラーシーズン成績、Baseball-Reference歴代本塁打記録。

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棗 快
コンテンツディレクター 棗 快
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