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【第102回箱根駅伝】2026年に生まれた区間新記録5区間を徹底分析

岩崎 蓮司 岩崎 蓮司 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
目次

第102回大会は、箱根駅伝の記録史を語るうえで重要な大会になった。

2026年1月2日・3日のレースでは、従来の記録を上回る走りが相次ぎ、1区・2区・5区・8区・10区の5区間で区間新記録が誕生した。

日刊スポーツの大会報道によると、従来の区間記録を上回った選手は合計7人。1区では複数の選手が旧記録を超えるタイムを出しており、レース全体の高速化が際立った。

2026年に更新された区間記録

特に注目したいのが、次の5つの記録だ。

- 1区・青木瑠郁(國學院大學):1時間00分28秒
- 2022年の吉居大和(中央大学)が持っていた1時間00分40秒を12秒更新。中央大学の藤田大智も1時間00分37秒を記録し、従来の記録を上回った。

- 2区・キムタイ(城西大学):1時間05分09秒
- 2025年に東京国際大学のエティーリが樹立した1時間05分31秒を22秒短縮。各校のエースが集まる花の2区で新たな基準を作った。

- 5区・黒田朝日(青山学院大学):1時間07分16秒
- 従来の記録は青山学院大学の若林宏樹が2025年に出した1時間09分11秒。黒田はこれを1分55秒更新した。

- 8区・塩出翔太(青山学院大学):1時間03分45秒
- 東海大学の小松陽平が2019年に記録した1時間03分49秒を4秒更新。

- 10区・佐藤圭汰(駒澤大学):1時間07分31秒
- 青山学院大学の中倉啓敦が2022年に記録した1時間07分50秒を19秒短縮した。

この5区間の中でも、特筆すべきは黒田朝日の5区だ。

山上りは標高差が大きく、平地のスピードだけでは対応できない。登坂能力、ペース配分、身体への負荷に対する耐性が問われる特殊な区間である。そこで約2分近く記録を縮めたことは、単なる高速化とは異なる意味を持つ。

1区では青木瑠郁と藤田大智が旧記録を上回った

1区も2026年大会の象徴的な区間だった。

國學院大學の青木瑠郁が1時間00分28秒で区間記録を更新。中央大学の藤田大智も1時間00分37秒で続いた。

なお、関東学生連合の川崎楓も1時間00分38秒を記録したが、オープン参加のため参考記録扱いとなる。

この違いは重要だ。実際の走破タイムが速くても、公式の歴代ランキングに登録される記録とは限らない。箱根駅伝の歴代最速ランキングを見る際は、参考記録と正式な大会記録を区別する必要がある。

【記録保持者と区間賞の違い】2026年の10区間を振り返る

箱根駅伝歴代区間記録

箱根駅伝の記録を調べる際に混同されやすいのが、「区間賞」と「歴代区間記録保持者」の違いだ。

区間賞は、その大会で各区間を最も速く走った選手に与えられる。一方、区間記録保持者は、歴代の公式対象記録の中で最速タイムを持つ選手を指す。

したがって、2026年に区間賞を獲得した選手が、必ずしも歴代区間記録保持者になるわけではない。

第102回大会の区間賞獲得者

主催者が公表した第102回大会の区間賞一覧では、次の10人が各区間のトップとなった。

- 1区:青木瑠郁(國學院大學)1時間00分28秒
- 2区:キムタイ(城西大学)1時間05分09秒
- 3区:本間颯(中央大学)1時間00分08秒
- 4区:鈴木琉胤(早稲田大学)1時間00分01秒
- 5区:黒田朝日(青山学院大学)1時間07分16秒
- 6区:小池莉希(創価大学)56分48秒
- 7区:高山豪起(國學院大學)1時間00分54秒
- 8区:塩出翔太(青山学院大学)1時間03分45秒
- 9区:佐藤有一(青山学院大学)1時間07分38秒
- 10区:佐藤圭汰(駒澤大学)1時間07分31秒

ここで歴代記録との違いを確認すると、さらに興味深い。

例えば、3区の区間賞は中央大学の本間颯だったが、歴代最速記録は東京国際大学のイェゴン・ヴィンセントが保持している。4区も早稲田大学の鈴木琉胤が区間賞を獲得した一方、歴代記録はヴィンセントの1時間00分00秒だ。

6区では創価大学の小池莉希が56分48秒で区間賞を獲得したものの、歴代記録は青山学院大学の野村昭夢が持つ56分47秒。わずか1秒の差で歴代最速には届かなかった。

7区と9区も同様で、2026年の区間賞獲得者と歴代記録保持者は異なる。

区間賞は大会ごとの勝者、区間記録は歴史を通じた最速ランナー。 この2つを分けて見ることが、箱根駅伝の記録を正確に理解するポイントになる。

【コース変更と距離変更】箱根駅伝の記録を単純比較できない理由

箱根駅伝の歴代記録を調べる際、最も注意したいのがコースと区間距離の変更だ。

同じ1区、5区という名称でも、過去には中継所の位置や道路事情の変更によって走行距離が変わっている。タイムだけを並べて比較すると、選手の実力とは別の条件まで評価してしまうことになる。

第82回大会で4区と5区の距離が大きく変わった

2006年の第82回大会では、小田原中継所の移動に伴い、4区と5区の距離が大きく変更された。

- 4区:21.0kmから18.5kmに短縮
- 5区:20.9kmから23.4kmに延長

この変更によって、5区は山上りの長い区間となり、選手に求められる持久力や登坂能力の比重が高まった。

当時は柏原竜二や今井正人ら、5区で圧倒的な走りを見せた選手が「山の神」として注目を集めた時代でもある。

第91回大会ではバイパス使用に伴う再計測

2015年の第91回大会からは、函嶺洞門の通行禁止に伴って新しいバイパスを使用することになり、コースの再計測が行われた。

関東学生陸上競技連盟の2014年10月8日付発表では、主な距離変更が次のように示されている。

- 1区:21.4kmから21.3km
- 2区:23.2kmから23.1km
- 3区:21.5kmから21.4km
- 5区:23.4kmから23.2km
- 8区:21.5kmから21.4km
- 9区:23.2kmから23.1km
- 10区:23.1kmから23.0km

また、走行コースが明確に変更された5区・6区については、第91回大会以降の記録を新しい記録として取り扱い、それ以前の記録を参考記録とする方針が示された。

第93回大会で4区・5区が現在の距離に

さらに2017年の第93回大会では、小田原中継所の位置が変更され、4区と5区の距離が再び見直された。

- 4区:18.5kmから20.9kmに延長
- 5区:23.2kmから20.8kmに短縮

5区の距離短縮は、選手への負担を軽減するとともに、山上りの結果が総合順位を左右しすぎるという問題も考慮されたものだった。

この経緯を踏まえると、現在の5区記録1時間07分16秒を、かつての23.4km時代の記録と同じ条件で比較することはできない。

主催者の歴代最速ランキングも、参考記録を除外し、区間ごとに集計対象となる大会を設定している。例えば1区は第55回、2区は第59回、4区は第93回以降が集計対象だ。

記録を比較するときは、必ず次の3点を確認したい。

1. 区間距離が同じか。
2. 中継所や走行ルートが変更されていないか。
3. 公式ランキングの対象記録か、参考記録か。

これを押さえるだけで、歴代最速ランキングの見方は大きく変わる。

【青山学院大学の箱根駅伝歴代記録】4区間の最速記録を保持

箱根駅伝の歴代区間記録を大学別に見ると、青山学院大学の存在感が際立つ。

2026年11月現在、同大学は以下の4区間で歴代最速記録を保持している。

- 5区:黒田朝日(2026年)1時間07分16秒
- 6区:野村昭夢(2025年)56分47秒
- 8区:塩出翔太(2026年)1時間03分45秒
- 9区:中村唯翔(2022年)1時間07分15秒

10区間中4区間を同一大学の選手が占めている点は、青山学院大学の強さを示すデータだ。

第102回大会では総合・往路・復路のすべてで大会新

2026年の第102回大会では、青山学院大学が総合10時間37分34秒で優勝した。

これは2025年の第101回大会で同大学が樹立した従来の総合記録10時間41分19秒を更新する結果だった。

加えて、往路5時間18分08秒、復路5時間19分26秒も大会新記録となった。

青山学院大学の公式発表によると、同大学は第102回大会で3年連続9回目の総合優勝を達成。史上初となる同一大学2度目の3連覇も成し遂げた。

ただし、歴代記録の保持大学がすべて青山学院大学というわけではない。

東京国際大学はヴィンセントが3区・4区、駒澤大学は佐藤圭汰が7区・10区の記録を持つ。加えて、國學院大學は1区、城西大学は2区で最速記録を保持している。

この分布から分かるのは、箱根駅伝の記録が特定大学の独占ではなく、各校の強みを持った選手たちによって更新され続けているということだ。

2区・5区・6区など、区間ごとに求められる能力が異なる

青山学院大学が複数区間で記録を持つ理由を考える際にも、区間の特徴を無視できない。

- 1区: 集団の駆け引きと終盤のスパートが重要。
- 2区: 長い距離を走る持久力とエースとしての総合力が必要。
- 5区: 長い上り坂に対応する登坂能力とペース管理が重要。
- 6区: 下り坂での身体操作や安定した走りが問われる。
- 10区: 復路の最終区間として、疲労下でのスピード維持が求められる。

同じ大学が複数の記録を持つ背景には、選手個人の能力だけでなく、区間の適性を見極めるチーム編成も関係している。

【歴代最速ランキングの見方】記録を正しく評価するための3つの基準

箱根駅伝の歴代記録には、タイム以外にも確認すべき要素がある。

特にインターネット上では、過去の記録と現行コースの記録が同じランキングに並べられているケースもあるため、情報の出どころを見極めることが重要だ。

公式ランキングと個人ブログの違い

最も信頼できる確認先は、東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイトの「歴代最速ランキング」と、日本テレビの大会記録ページだ。

公式ランキングでは、参考記録を除外し、区間別に集計対象を設定している。

一方、個人サイトやまとめ記事では、距離の違う時代の記録が一緒に掲載されていたり、更新前のタイムが残っていたりすることがある。

特に2026年大会の2区は、キムタイの正確な記録が1時間05分09秒。別の掲載情報に見られる1時間05分10秒とは1秒違うため、公式データを優先したい。

記録更新の可能性を見るなら区間2位以下にも注目

歴代最速だけを見ていると、次の大会でどの区間が更新されそうなのかは分かりにくい。

そこで注目したいのが、公式ランキングの2位以下のタイムだ。

例えば1区では、2026年の藤田大智が1時間00分37秒を記録している。歴代最速の青木瑠郁との差はわずか9秒だ。

6区では、2026年の小池莉希が56分48秒で区間賞を獲得し、野村昭夢の歴代記録56分47秒に1秒まで迫った。

こうした記録は、次回以降の大会で注目すべき区間を見極める材料になる。

【プロの結論】単純なタイム比較よりも記録の成立条件を見る

箱根駅伝の歴代最速ランキングで、本当に注目すべきなのは数字の大きさだけではない。

距離、コース、気象条件、選手の役割、チームの戦略など、タイムを生み出した背景を合わせて見ることで、記録の価値がより明確になる。

特に5区・6区は、平地の区間とは異なる身体的負荷があり、単純なペース換算だけで実力を評価できない。

記録を調べる読者には、主催者の公式ランキングを基準にし、過去のコース変更を確認してから比較する方法をおすすめしたい。

一方、歴代の走者を純粋なタイム順だけで評価したい場合には、異なる距離の時代を混在させたランキングは適さない。区間の歴史と現行コースの記録を分けて見ることが、正確な理解につながる。

【箱根駅伝歴代区間記録】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:2026年現在、箱根駅伝で最も速い区間記録は何区ですか?

A1:区間によって距離が異なるため、単純に1つの区間を最速と決めることはできない。タイムの数字だけなら3区のイェゴン・ヴィンセントが持つ59分25秒が最も短い。ただし、各区間は距離やコースが異なるため、区間別に評価する必要がある。

Q2:箱根駅伝で複数区間の歴代記録を持つ選手は誰ですか?

A2:代表的なのは東京国際大学のイェゴン・ヴィンセントと駒澤大学の佐藤圭汰だ。ヴィンセントは3区と4区、佐藤は7区と10区の歴代最速記録を保持している。

Q3:2026年の箱根駅伝で区間新記録はいくつ誕生しましたか?

A3:1区・2区・5区・8区・10区の5区間で区間新記録が誕生した。従来の記録を上回った選手は7人と報道されている。1区のオープン参加選手のタイムは参考記録扱いとなる。

Q4:箱根駅伝の5区の歴代最速記録は誰が持っていますか?

A4:2026年の第102回大会で青山学院大学の黒田朝日が記録した1時間07分16秒だ。従来の若林宏樹の1時間09分11秒を1分55秒更新した。

Q5:箱根駅伝の区間賞と区間記録は同じ意味ですか?

A5:異なる。区間賞は特定の大会で各区間の最速タイムを記録した選手に与えられる賞であり、区間記録は歴代の公式対象記録の中で最速のタイムを指す。2026年大会でも、区間賞を獲得しながら歴代記録を更新できなかった選手がいる。

第102回大会終了時点の箱根駅伝歴代区間記録では、青木瑠郁、キムタイ、黒田朝日、塩出翔太、佐藤圭汰が新たな記録保持者となった。

一方、3区・4区のイェゴン・ヴィンセント、6区の野村昭夢、7区・10区の佐藤圭汰、9区の中村唯翔など、過去の大会で生まれた記録も残っている。

特に注目すべき要点は次のとおりだ。

- 2026年は5区間で区間新記録が誕生した。
- 黒田朝日は5区の記録を1分55秒更新した。
- ヴィンセントと佐藤圭汰は、それぞれ2区間の歴代最速記録を保持している。
- 青山学院大学は10区間中4区間の歴代記録を持つ。
- コース変更によって記録の比較条件が異なるため、公式ランキングの確認が欠かせない。

箱根駅伝の魅力は、単に優勝大学を競うだけではなく、各区間で選手が積み重ねてきた挑戦の歴史にもある。

2027年の第103回大会では、2026年に生まれた新記録が守られるのか、それとも新たなランナーが歴史を塗り替えるのか。今回の記録を基準に各大学の選手起用や区間配置を追うことで、次の箱根駅伝をより深く楽しめるはずだ。

主な参照資料:東京箱根間往復大学駅伝競走公式サイト「歴代最速ランキング」「第102回大会記録」「区間賞一覧」、日本テレビ「箱根駅伝 番組公式サイト」、関東学生陸上競技連盟「距離変更とそれに伴う記録の取り扱いについて」、青山学院大学公式発表、日刊スポーツの第102回大会報道。

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岩崎 蓮司

メーカー公式スペックシートと実機検証を突き合わせて評価。ベンチマークは測定条件を明記し、自前計測値と公表値を区別して記載します。

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